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コートジボワール・・・市民に発砲するフランス軍

世界中、イヤな事件ばかり。たくさんニュースが報道されても、これじゃいけないと思う人たちがたくさんいても、一向にいい風に改善する気配はないばかりか、追い風が吹くごとく、嫌な事件が反復している。

たとえば、今いやだなぁ、と思っていることのひとつは、コートジボワールの事件。

数週間前に起きた事件なのだが。コートジボワールの政府軍がフランス軍政府に先制攻撃をかけ、フランス軍は仕返しに、コートジボワールの戦闘機やヘリコプターを全滅させた事件があった(といっても、たったの数機)。一説によると、誤爆の可能性もあるという。反政府軍は、かなりフランスの意向に沿ったグループで、フランスは彼らを応援していた。そのときも、フランス軍が反政府軍のそばにいたという。反政府軍を攻撃しようとした政府軍が、焦点を誤りフランス軍に被害を出してしまった、そうだ。いずれにしてもフランスの仕返し直後、国連はフランスを支持した。

国連の支持は、「コートジボワールっちゃフランスのシマだろ。自分のお尻は自分で拭いてね」っていう風に聞こえた。こまごまとした戦乱にいちいち首を深く突っ込むよりも、その地の支配者に後始末してもらったほうがラクだし、手も汚れないというものだろう。

フランスで出てきた情報も、酷いものばかりだった。たとえば、内部情報満載の新聞「ル・カナール」によると、当初、フランス外相や内相たちは、仕返し攻撃することに反対していたという。攻撃を押したのは、なんと女性の防衛大臣。つりあがっためがねをかけているところや雰囲気が、私のイメージするロッテンマイヤーさんにそっくりなのだった。

彼女の頭の中には、ひょっとすると、サッチャーさんがいたのかもしれない。あわよくば、女性初のフランス大統領になれるかもしれないという計算があったのかもしれない。女の防衛大臣だからってバカにされたくなかったのかもしれない。いや、なんにもなくて、ただ、愛国心が爆発し、忠実に任務をこなしただけかもしれない。生真面目なだけで、悪意はなかったりして。・・・・・・彼女が心で何を考えていたかは、誰にも知る術なんかないだろうが。

そんなことはともかく、空爆よりさらに大きな事件が起きていた。フランス軍は無実の市民を乱射していたのだ・・・。少なくとも、数十人が亡くなったという。

フランス軍の仕返しに怒り、公園に集ってデモを行なっていた市民、とくに、Tシャツにジーンズ姿の大学生やヒップホップの似合いそうな若者たちめがけて、予告もなく、戦車を後ろに控えさせたフランス軍の兵士たちが実弾を発砲。空に向けての威嚇ではなかった。実際に人をめがけて射撃したこのシーンは、テレビカメラが捕らえ、ここ数日、フランスのテレビで繰り返し映し出されている。国際法に違反するこの行為に対し、コートジボワール政府はフランスをハーグに訴えるという。・・・・・・・

ハーグに訴えても、どうせ、レイプ事件がどうのこうの、と言いがかりをつけられて、フランスが謝罪する結果になんかならないと思う。また、レイプ事件は反政府軍がフランスと組んで出したニュースのように聞こえるし、フランス軍発砲事件は政府側が反フランスの気運を高める力になっているように見える。なんだかなあ、という気持ちは確かにした。が、それよりもイヤなのは、市民に発砲する兵士たちの表情だった。彼らがイラク情報を衛星テレビでチェックしているかどうかはわからないけれど、「イラクでもやっているからいいんじゃないかぁ」って納得しながら撃っているような顔をしていたように見えた。

でもきっと、この事件は、誰も責められもしなければ解決にも関心を示されずに、このまま放っておかれるのだろうと想像する。イラクに反対しても反対が届かない世界状況のなかで、このくらいの戦乱、関心の価値すらないみたい。煮え切らない世の中が加速していくような気がする。

しっかし・・・なんで、世の中は良くならないのだろう??? 
これだけニュースが溢れ、問題提起がたくさんなされているというのに・・・、学歴社会によって大学だのそれ以上の教育を受けている人も昔よりはるかに多いというのに、なぜ? 

by hamster_paso | 2004-12-02 00:11 | 超わかり易い国際政治política