カテゴリ:移民問題 los inmigrantes( 6 )

映画「バベル」と移民

映画「バベル」を見ました。
友人に誘われて行ったので、何の前情報も得ずに見たので、
(菊地凛子ちゃんがオスカー候補だということは知っていたけれど)、
移民が非常に重要な役割を占めている映画だということに、目が釘付けでした。
映画を見ている最中は、物語の展開の仕方に不快感を覚えて、
地球はもう少し美しいはずだと心の中で抗議していたのだけれど、
最後に出てくる東京の夜景を見て許す気になりました。
東京に帰りたいなあ。だから、この映画を許しちゃったのかなあ。

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by hamster_paso | 2007-01-30 19:42 | 移民問題 los inmigrantes

昼下がりのカフェ

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2005年秋のパリ。
シテと呼ばれる”移民街”が暴動に揺れていた頃。
近頃、スペインとフランスの移民の取材で考えさせられることが多く、
2年前に撮った写真を思い出しました。
しばらくそれらを載せようと思います。
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by hamster_paso | 2007-01-28 23:39 | 移民問題 los inmigrantes

2007年。モロッからも、おめでとう!

みなさま、新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました♪

あわただしい1年も過ぎようとしていた12月27日の夜10時が、仕事納めでした。
「この年の疲れから完全に解放された!!」と気が緩んだ翌日から、寝ること、寝ること。
この1週間、起きるのはほぼ昼でした。
真冬に温かいふとんの中でごろごろするって、なんて気持ちいいの~!
どこにも行く必要がなくて、誰からも急かされない時間は、甘くてゆるゆる。

それでも真昼の太陽が部屋に差し込む光を見ると、「ああやっぱり起きよう」という気持ちになって、起きることに。
芋虫の脱皮のように布団から這いでて、ガスストーブを点け、厚手のセーターを羽織ってから、コーヒーを入れようと台所に行くと、白いタイルの壁もガス台も天窓から洩れる陽をうけ、光の中に浮かび上がっているようで、「まあ雑誌みたい」と、わたしはうっとりした気分に浸るのでした。

暮れに、往復4時間はかかる中華食材屋さんへ行き、切れてしまった醤油やオイスターソースなどのタレ類、豆腐、湯葉、どんこ、たけのこの漬物、数種類の麺類、そして韓国で「トック」、中国圏では「年カオ」と呼ばれている小判の形をした米の餅を購入。トックはお雑煮に入れるお餅の代わりに使うので欠かせません。
中華食材屋さんのそばにある韓国食材屋さんでは、マドリードに来たときは必ずここで買う手作りキムチ、ジャージャー麺のタレ、辛子味噌を入手。韓国食材屋さんのトックは、一袋の量が多い上、少々高いので、ここでは買いませんでした。
「正月は中華!」と決めている私。どんな苦労があろうと、年末の中華買出し作業は怠れないのです。

とはいえ三が日は、ちゃんとお雑煮作ったんですよ。元旦と二日は鰹節・鶏のささ身・どんこで、三日は昆布とどんこでだしをとって。
昨秋買った圧力釜で作るので、早いこと、早いこと。圧力釜がないときは、コトコト煮出すために早起きしていたのに。圧力釜のおかげで、寝坊したって大乗仏教!

お雑煮には、だしに使う食材以外に、サトイモの代わりのジャガイモに人参、ほうれん草、トックに卵、みりんのかわりの砂糖を少々。醤油には、中国産の薄口醤油。高いキッコーマンの7分の1のお値段なのに味はキッコーマンに似ているんです。中国の醤油には、九州のたまり醤油に似た濃いものが多く、それらも非常においしいので、何種類か手元に置いておいて、用途に合わせて使うのもいいかも。

ラーメンの液(つゆ)を作るとき、私はよく醤油とオイスターソースを半々入れます。味噌ラーメンの液のようになり、美味。ふと思いついてモノの試しにとやってみたところ、口にしたとたん感動で涙が出て体が震え舌がその味を覚えてしまった日以来、私が自信をもってお奨めしている組み合わせです。

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モロッコのおてんば娘からも、”新年快楽”!!アラビア語では何というのでしょうねぇ?

彼女は、私がモロッコで泊まっていた宿のそばのレストランで馴染みになった女の子、ジャスミンちゃん(19)。本音トークで、態度もあけすけ。お客に人気のジャスミンだけど、その真っ直ぐな話し方には、私もすぐに引き込まれました。

「サウジアラビア? お堅くて、行きたくなんかな~い。エジプトなら行ってみたいな」
「パレスチナ? ドンパチやりに行ってどうする?私が探したいのは仕事」

そういう彼女が目指すは、スペイン。

「掃除婦でもなんでもするわよ。モロッコから出たいったらありゃしない! 一日も早く! 
お金? お金よりもほしいのは自由。私が身を粉にして働いても、家族は金よこせ、金よこせってしか言って来なくて。もうたくさん! 自分のための人生がほしいの。
あ~あ、頼りになるツテどこかにないかしら……。
たった紙切れ一枚のことなのに、なんでこんなに苦労しなくちゃいけないの?」

モロッコのパスポートを取るのは簡単だけど、スペインの入国許可を得るのが至難の業。

夏に旅したブルキナファソでは、

「君たち、こっちに来るのは簡単だろ。でも僕たちが出るのはすごく難しいんだ。不公平だよ」

という男の子にも会ったっけ。

ちなみに、ジャスミンを撮影した場所は青空市場の衣料品店。
ここで売られているものは、”先進国”からの(おそらく)善意の援助品。古着であることがひと目で分かります。
以前、スペインに住むマリの青年と話していたときも、「日本が援助してくれた食料品が市場で売られている」と教えてもらいました。彼は憤っていました。いや、憤りを通り越して、アフリカの政治と背後でアフリカの政治家を操るフランスなど欧米諸国にあきれ果てていました。

あ、朝寝坊の話から、中華食材の話になって、いつのまにか日本の援助にまで話が及んでしまったわ。でも私の胸のうちでは全てが繋がっていて。
私の知る限り、読んでくださった皆様のお胸のうちでも、きっとそうでしょう?
うふふ、図星ね。今年も宜しく!
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by hamster_paso | 2007-01-04 00:48 | 移民問題 los inmigrantes

【パリ・暴動前】その3 ある激白

「あいつらは、ぼくらをどこかで軽蔑しているんだ!」

酔った勢いで、鼻息荒く話すのは、フランス人インテリのV君(24)。
貴族や位の高い家柄の友人をさして、V君は怒っているのだった。しがない国鉄職員の家に生まれたV君は、真面目で勉強好き。その甲斐あって、パリの中で1、2位を争う公立高校へ進み、やはりトップクラスの大学へ進学した。そろそろ大学院をも終える。卒業後は、外務省がダメならパリ市役所を受けたいと考えている安定派。日本的に見たら、国立大学に入学して公務員試験を受ける親孝行な息子。勤め先では、学閥の先輩からも、かわいがられよう。

しかし、フランスではちょっと違うらしい。フランスの大学は通常、国立なので、高貴な家柄の子弟も、国立大学へと進学するのが常だ。V君には、「こういう‘いい学校’へ行かなかったら決して知り合うことなどなかった」という高貴な家柄の恋人や友達ができた。ところが、彼女と同棲し、友達と飲んだりしているうちに、次第に精神的なかすかな隔たりを感じるようになった。貴族の血を引く友人たちが、会話の間に、庶民には冗談としてさえ思い浮かばないような言動をたびたびするからだった。

たとえば、先祖が貴族で一族にはパナマの大統領もいるというT君は、祖母の遺産に加え、パナマ運河関連の会社の株も持っており、毎月何もしなくても大金が銀行の口座に入る。若干26歳にしてパリ市内に一軒屋も購入。今、スウェーデンに買った島の観光開発にいそしんでいるところだというから、驚きだ。
一方、ガールフレンドと同棲しているマンションは、彼女の父親が、「娘が自分のそばに住むように」と、シャンゼリゼの裏通りにある自分の家の隣に買った物件。以前娘に住まわせていたマンションを引き払わせて、父の目の届くところに引越しさせた。部屋は大きくなくても、高級なアジアの骨董で飾られており、品がいい。V君は、未来のお義父様と彼女の3人で、毎週数回、一緒に夕食をとるという緊張の時を過ごす。同棲の条件だったそうだ。

酔ったV君が思わずこぼした愚痴は、こうした生活のなかで少しずつ鬱積していったらしい。わたしともう1人の庶民の友達の前で、久しぶりに心がホッとできたから、つい口が滑ってしまったのだろう。でも、「‘ぼくら’を軽蔑している」と、わたしまで「ぼくら」に含まれたところが、ちょっぴり哀しかった。精一杯お洒落して出かけたのに(汗)。

V君の話だと、フランスでは、貴族・高貴な家柄をもつ人々と、どんなに優秀でも庶民の出とは、埋められない一線が、まだまだ歴然とあるのだという。「フランスは、歴然とした階級社会なんだよ」とV君は諦めたように言い、わたしはフランス文学の世界がまだ残っているんだなあ、と妙にピントの外れたことを考えていた。

うちは長年、毎日新聞をとっているが、昨日(日曜)の付録の別冊の特集に、ディオールの宝石デザイナーのインタビューがあった。彼女もまた、貴族の子。子どもの頃から、シャネルの有名デザイナー、カール・ラガーフェルドらとの付き合いがあり、18歳のとき、彼から直接、宝石デザインをやってみないか、と声をかけられたという。世界の流行を動かすフランスのファッション界に出入りする貴族ならではの、おいしい運命……。
さすが、‘世界’のフランス。貴族の格づけが、他の国とは違うような……。

V君ほど優秀で、生粋のパリ青年でさえ、その違いを感じているというのだから、平凡で普通な人々と貴族の間の溝はどれだけ広くて深いのか。

庶民はおそらく、貴族の世界にシットを感じつつも、憧れやら溜息やらをもらし、自分の卑しい身分を嘆いているのかもしれない。そのはけ口に、移民や、さらに低所得者や品行の悪い異世界の者達を卑下し忌み嫌う心理が働いていたとするならば……?
貴族の世界へはもちろんのこと、庶民の世界にさえも入れてもらえない移民や異世界の人々が、もっと卑屈になったとしても、当然かもしれない。

リヨンに住む庶民の友達のお母さんは、娘を妊娠して大きなお腹のとき、愛犬を連れて散歩に行ったら、アラブ系の男の子に、「フランス女は、犬とも、やるのか!」と揶揄されて、いっぺんにアラブ人が嫌いになったと、以前話していた。遊びにきた私を連れて、きれいな公園行ったとき、このお母さんとお父さんは、「あら、こんなにきれいだなんて、ここにはアラブ人が来たことないのね」とジョークを言った。

フランスにはアラブ人ネタのジョークが山ほどある。今回、暴動がこんなに大きくなったのは、アラブ人や移民たちのこれまでの憤懣が大爆発を起したからだとニュースでは言われているが、それは、V君の愚痴と、同じ類の憤懣なのかもしれない。


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「わたしたちの未来は、どうなるのかしら……?」

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「しらないわ。そんなことより、アイスのほうがおいしいわよ」
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by hamster_paso | 2005-11-14 19:29 | 移民問題 los inmigrantes

【パリ・暴動前】その2 夜間外出禁止令

とうとう戒厳令が出た。

昨日、フランスに住む日本の友人とメールでやりとりした。
彼女は、移民の中には、生活手当てを受けているほうが、仕事をするよりも楽だから、仕事をするよりも手当てを受ける移民もまた多いこと、そういう移民によからぬ感情を抱いている人たちの間では、ニコラ・サルコジ内相が人気であることなどを、教えてくれた。

わたしがパリに住んでいた2000~03年の2年ちょい、わたしにも、仕事より手当てと考える移民の友達がいた。彼女はコロンビア人だった。仕事を見つけてきたキューバの若い母をよく批判していた。「ばかだよ、あの子は。仕事すれば、損するばっかりなのに」
生活手当てを受けると、市から買い物用に小切手や電車の定期が発行される。無料で米、パスタ、ビーフシチューの缶詰、牛乳、バターなど、食糧の無料配給もある。わたしもよく、分けてもらった。市が無料で配給するオムツを貰いにいくのを手伝ったこともある。私のまだ知らない保護もいろいろあるはずだ。貧しい人には至れり尽くせりのフランス。しかし、仕事が見つかると、これらの恩恵にあずかれない。ところが野菜などは、作りすぎた場合、価格安定のため、食べられるものでも廃棄処分されているという。極端ないい制度と悪い制度に、驚いた。

一方、税金はばか高く、家賃も高いが給料は安い。普通に働く人々は、日本の雑誌が「パリ、パリ」と憧れ賞賛する生活を享受など、できない。お洒落であるはずのパリなのに、スーパーで販売されている量販の服を着たり、吊るしの安い背広を着たり。実は、パゾの飼い主がスペインに移った原因も、ここにある。物価が高く、働いても吸い取られ、金など一生たまらないような生活に、これではやりたいことができないなあ、という焦燥感に駆られたのだった。スペインはそれなりに大変だけれども、お金の面では、フランスより格段に楽なような気がする。

フランスには、貧しい人と大金持ちにはやさしく、社会を支える大切な労働力には厳しい、という現実があるわけだ。このあたりも、今回の暴動と、どこか関係があるかもしれない。

夜間外出禁止令によって、こんな風景(↓)は当分お預けだろう。レストランやバーの賃金労働者たちは、一体どうなるのだろう? あ、それから名画座などの映画館も。


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by hamster_paso | 2005-11-09 11:06 | 移民問題 los inmigrantes

【パリ・暴動前】その1 カフェの窓から

フランス全土に拡大したという移民の暴動。
高い失業率、テロを防ぐ治安強化策として移民に対して街で行なわれている職務質問、公立高校ではイスラム女性徒はベール着用禁止という新法律などが、移民の不満として募り、警察に職務質問された少年が逃げ切れず高圧線によじ登り感電死したことが引き金となって、今回の暴動にまで発展した、と今朝のNHKニュースで解説していた。

しかし、わたしが帰国前に数日滞在したパリで聞いた説明はちょっと違う。ある友人は、2007年に行なわれる大統領選挙を睨んで、内相ニコラ・サルコジが「汚い移民を一掃」し、手柄を立て市民の信頼を勝ち取り大統領に当選する、というシナリオがあると言った。

サルコジといえば、相撲の力士のことを「ポマードを塗ったデブ」と平気で言い放った危険人物。アメリカに擦り寄る姿は、純ちゃん並みか、それ以上。サルコジのお兄さんは、日本で言えば経団連みたいな、フランスの財界連盟の会長だったか、副会長だったか。大手メディアや出版社の社長なども属する連盟だ。なので、メディアの操作だってお手のモノだ。ある人気雑誌で行なわれたフランス有名女性の人気投票で、サルコジの元妻(当時は妻。今は離婚)が人気No.1一番になったのだが、その雑誌の社長もサルコジ兄弟のお仲間だった。サルコジのお兄さんだって、テレビにもしょっちゅう出る。どちらも権威と金しか目にないように見える。どんなにエラかろうと、金を持っていようと、品格など漂う気配さえない兄弟だ。
別のフランスのインテリ友人は、「下品なサルコジが大統領になって、エリゼ宮に立つ姿なんて、恐ろしすぎて、想像したくない」と嘆いていた。
「あんなのが大統領になったら、フランスもおしまい」だと。

なるほど、こんなヒトが「街をきれいに!」と叫んだら、暴動しか起きないのか。このヒト、とりあえず、目下、大統領候補のNo.1だという。フランス人でなくても、気が重くなる。


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移民街のカフェの窓から見た風景は・・・・・・More
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by hamster_paso | 2005-11-08 09:33 | 移民問題 los inmigrantes