カテゴリ:サッカー Futbol( 5 )

アルゼンチン人はこんなに喜んでいた

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16日、アルゼンチン対セルビア戦が行われたとき、わたしはアルゼンチン人の集まるバーにいた。
90分という時間中、彼らがこの写真のようにワ~~~~~~~~ッと盛り上がること、6回。
おまけに、テレビにマラドーナが映るたびに、神マラドーナを讃える歓声が起こる。
しかし、どうにも疲れていた私は、その群れの中で、昼寝をしてしまった。そんな日本人は、彼らの目には、どう映っただろう。

昨日の日本対クロアチア戦は、スペインのニュースでも、酷評されていた。
いや、酷評ならまだいい。期待があったことを裏付けるから。
昨日の評は、こうだった……

「日本は、今回の出場チームの中で、もっとも青いチームです!!」

サッカー専門ニュースで、元オサスナの選手であり、元アイルランド代表であり、現在はサッカー・キャスターとしてテレビに出ずっぱりのマイケル・ロビンソンが、はっきりこう言い切った。青い、という部分には、イノセント、という言葉を使っていた。無垢というべきか、純情というべきか。物を知らない、という意味でもあるだろうし、従順だという意味もあろう。畢竟、日本は、あきれられた、完全になめらた、ということがわかった。

ゴールを入れないということではない。ゴール際でファールを受けたとき、本来ならペナルティになるので、どこの国の選手も、その1点をなんとしても稼ごうと、必死に審判にペナルティを要求するというのに、日本人選手は、誰一人として、ペナルティを訴えるジェスチャーをしない、というように彼らの目には映っているらしい。なぜこんなにおとなしいのか、理解できないらしい。

純粋で、言うことをよく聞いて、自己主張しない。いいことなのか、悪いことなのか。

さらに、ロビンソンが、「ところで、今日の日本戦で、もっとも注目したのは、このシーンです」というと、次にあるシーンが流れた。それは、試合のシーンですらなかった。

試合前、体を震わせながら、大きな口を開けて、堂々と君が代を歌うアレッサンドロ・サントスと、その左に一列に並び、口をほとんど開けずにぼーっと立つように見える日本代表の対比だった。テレビカメラは、サントスから順番に、ゆっくりと、選手一人ひとりを映していった。

「ブラジル人のサントスが、大きな口を開けて日本国歌を歌っているのに、他の選手達は、歌いもしません。あ、口はちょっと開いているかな。でも、これはどういうことなんでしょうね。なんでブラジル人が歌って、日本人が歌わないんでしょう。ブラジル人は陽気で踊りが好きってことでしょうかねぇ」

こうコメントした後、ニュースキャスターが座る半円形の机に集まっているサッカー専門家達が全員、ロビンソンの指揮で、我が「君が代」を、ハミングしてくれた。ノリノリの国歌のように歌おうとしてくれていた。
でも、ハミングの途中で、互いに、顔を見合わせてながら、辞めた。どうしても、ノリノリにはなれないリズムのせいだったのかもしれないが……。

正直、痛い悲しかったですね。嗚呼、イタガナシゐ、って感じでしたよ。
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by hamster_paso | 2006-06-20 01:48 | サッカー Futbol

ジダン引退……なのに寂しい日本のサッカーニュース番組

みなさま、こんにちわ!
ここ1ヶ月あまり、更新をほとんどしていないというのに、多くの方が毎日訪れてくださる事を今日レポートで知り、胸の奥も目頭も、痛いほど熱くなりました。本当に本当に、ありがとうございます。私はまだ、日本におります(あと、2週間ほど)。戻ってきて早々は、毎日非常に忙しく、それは4月末まで続きました。のんびりできたGWは、反動で、祭りを見に行ったり、家でゴロゴロ。テレビのニュースや番組、新聞などから、毎日、いろいろな事も考え、「ブログにああ書こう、こう書こう」と思いを巡らすのですが、夕飯に母と発泡酒で晩酌した後、ようやくブログに向かえる時間ができるころは、もう眠くなって、またゴロゴロと夜中のニュースを見る日々です。情けねー!!

しかし……、どうにもこうにも、いてもたってもいられない気持ちにさせられることがあって、今日は仕事を始める前に、どうしてもこれだけは書きたい。この煩悶は、7日日曜の夜から続いています。

それは、ジダンの引退について、日本のテレビのサッカーニュースの冷淡さ、無関心さ、です。サッカーニュースですよ!なんで、世界の英雄の引退を、温かく敬意をこめて、報道しないのかなあ?どうして?

わたしは全部のニュースを見たわけではなく、実家には衛星放送もないので、民放の一部のニュースについてしかわかりませんが、少なくとも、日曜日のナイナイがやるサッカーニュースでは、一言も触れられていませんでした。サッカーを心から愛する番組なら、ほんの少し、冒頭に、「今夜のビジャレアル戦を最後に、ジダンがレアル・マドリードを引退します!」と、紹介があってもよかったのでは。サッカー界の英雄に対して、非礼だなあ、と釈然としない気持ちが今も続いています。

また、月曜夜、ジョン・カビラのサッカーニュースでも、レアルの試合結果を伝えるときに、ほんの少し触れられただけ。せめて、30秒、いや、10秒や15秒でもいいから、ジダンのレアル入団から退団までのまとめがあってもよかったんじゃないかなあ(理想はもちろん、ユベントス時代やそれ以前に遡って、ジダンのプロ生活を回顧する映像が欲しかった)。それともそういうビデオは高すぎで使用できなかったのかなあ。でも、もしビデオが高すぎて使えないとしたら、サッカーニュースの名が泣くよね。

ジダンといえば、世界が認める、現役では世界最高の選手の一人。うちのお母さんでもその名前は知っている。最近は足や腰の不調であまり活躍ができなかったとはいえ、彼の功績や存在感の大きさは、日本でも、あまりにも有名。レアル・マドリードが日本でもサッカーの話題をかっさらうことのできた時代には、夏の日本遠征をはじめ、日本のサッカー番組は、多くの恩恵も受けたでしょう?

でも、レアル・マドリードが不振になり、3年連続無冠といった現状と対照的に、宿敵バルセロナが、ロナウジーニョのキャラもあって人気大爆発となると、日本のサッカーニュースはバルサ一色。そして、手のひらを返したように、レアル・マドリードには冷たくなってしまったではないですか。カネ・カネ・カネのレアルだったから、自業自得だとは思うけれど、それと、ジダンのこれまでの業績や貢献、偉大さは、関係ないはず。

わたしはとりたててジダン・ファンでもなければ、レアル・マドリードのサポーターでもないけれど(実はむしろバルサファン)、世界のサッカーシーンを伝えてくれる希少な番組の中では、せめてジダンを名残惜しむ時間を味わいたかったな。なので、あまりの冷淡さに、本当に悲しかったし、寂しかった。日本にサッカーへの情熱の定着やすばらしさの啓蒙という任務を負ったサッカーニュースならば、チームも国境も超えて、英雄にきちんと敬意を捧げるのが、道でしょう? とまで思った。

つまりですね、バルサ・バルサで舞い上がっている一方で、ジダンの引退に無関心だというサッカー番組の報道精神に、どうしても、納得いかないのです。民放の一部のサッカーニュース番組だとはいえ、民放では王道の番組ですからねぇ。ブラジルやら世界の代表チームが日本のサッカーを舐めているという背景には、きっと、こういう精神が彼らに見透かされているからでは?とわたしはひそかに勘ぐっているんですけど。


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この日、ビジャレアルとの一戦の行われたサンチャゴ・ベルナベウは、涙・涙・涙……
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by hamster_paso | 2006-05-09 11:39 | サッカー Futbol

‘ロナウディーニョ’か、それとも、‘ロナウジーニョ’か

「ジ」でいいんだよと教えてくれたのは、アドリアーノだ。私のあごを持ちそっと耳元でささやいてくれたのではなくて、イタリアのバラエティショーでの一幕で、なのだが。

「イタリアで一番素晴らしいキーパーは誰ですか」とマイクを向けられたアドリアーノが挙げたのは、イタリア代表のブフォンでもなくトルドでもない。インテルであるにもかかわらず、敵チームの男の名前を、前をきりりと見て言った。
「DIDA(ジーダ)」
ACミランのキーパーだ。ブラジル代表キーパーでもある。
「え、じ、じい?」 
誰だそりゃ、という顔の司会者に対し、アドリアーノは表情を変えない。
「ジーダ」
「じ・い・だ・って、あのDIDA(ディーダ)じゃないのか!?」
司会者の詰問にも揺らがない。アドリアーノの決意は固い。
「ジーダ」

ブラジルでは「DI」は「ジ」になるのだ。サウダージの「ジ」だ!(もっともこれはsaudadeと綴るのだが)。「ダヂヅデド」はあれでよかったんだと膝を打ち、ミランの試合を見るたびに、きちんと「ジーダ」という名を声に出すようになった。
そして「ディ」か「ジ」かで悩み続けていた‘Ronaldinho ’は「ロナウジーニョ」と呼ぶべきなのだと知った。

ジーダもアドリアーノもファベーラ出身だ。‘ファベーラ’といえば、‘シウダ・デ・デウス’。一度入ったら生きて帰れないこともある貧民街のことだ。ロナウドもしかり。ロベカルもしかり。3人とも1970年以降生まれだ。ロナウドの家はバス代さえないため、サッカーの才能を早くに見出した隣町のチームに誘われても参加することができなかったと聞いたことがある。ロベカルは、そもそも靴を買う金さえ家になかったという。ジーダはミランで稼いだ金をお母さんに送っている。ジーダのお母さんはファベーラから出て、どこか安全な土地に家を買ったことだろう。

ファベーラ出身でないのは、ロナウジーニョだ。1980年生まれであるジーニョは、1982年生まれのアドリアーノより二つ年上。彼は小さい頃から貧困を知らなかった。なぜなら、ファベーラ出身の父親がかなり名を挙げたサッカー選手で、儲けたお金で安全な土地に引っ越したからだ。そこに、プールつきの豪邸を建てた。ロナウジーニョの鷹揚とした雰囲気には、やはりわけがあったのか! ロナウジーニョの父親は、こともあろうに、自分が作ったプールに溺れて死んでしまったのだ。

貧困のどん底を生きたであろう父親は、サッカーで名を挙げ、血と抗争にまみれたファベーラからみごとに脱出し、成金の象徴であるプールつきの家を手に入れ、それに溺れて死んだ。息子が1980年生まれということは、自らは1950~60年代に生まれたはずだ。映画
‘シウダ・デ・デウス’のまさにその舞台に生きたことになる。銃と麻薬と鶏と。ファベーラに生きなくとも、猥雑な喧騒を懐かしむ気持ちは、ロナウジーニョにあるのだろうか。皮肉な死に方をした父親を、どのように哀れんだのだろうか。

ロナウジーニョが、よく笑い、そして文句を言わないということは、そのあたりに鍵があるのかもしれない。
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by hamster_paso | 2005-01-29 08:28 | サッカー Futbol

マルディーニが語るシェヴァとジーニョ

フランスの衛星放送局カナルプリュスのスペイン版、『カナル・プルス』のメインは映画とサッカーだ。わけても、サッカー解説番組の充実振りには目を見張る。週末のリーガ開始直前の土曜日の昼は、直前情報満載の解説をたっぷり届けてもらえる『EDA(エル・ディア・アンテス)』。土日には、サッカー生中継を昼から真夜中まで放送し続ける『MAS Y MAS(マス・イ・マス)』。マス・イ・マスは、スペイン・リーガのみならず、セリアA、プレミアリーグ、ブンデス・リーガ、最近はフランスリーグまで網羅する。そして翌日の『EDD(エル・ディア・デスプエス)』で、週末起きたスペインリーガのあらゆる見せ場をおさらいするのだ。ベンチで何が起きたかはもとより、観客席やボールボーイの表情まで追う。いつだったか、反レアルのボールボーイがベッカムにボールを渡さず、ベッカムが少年を戒めるシーンは見ものだった。かつてアイルランドの代表で元オサスナのスタメン、マイケル・ロビンソンが司会を務めるこの番組を日本で放送したら、どんなにわたしの仕事が増えていいだろう、などと考えていたら、ある在西スポーツ通信社のNさんが、「あれは高すぎて・・・日本でやったら絶対受けるのにねぇ。ああもったいない」と今にも涙をこぼしそうな顔をした。現地でこれらの番組を現地で見られるもったいなき幸せに感謝しないと。

そんな幸せは、この週末もやってきた。特にうれしかったのは、マルディーニの長いインタビューだった。マルディーニは、先週、ACミラン在籍20周年を迎えたベテラン選手。父親も元イタリア代表の監督。‘走るルネッサンス彫刻’マルディーニは、知的で物静かな印象を受けた。

「シェフチェンコとロナウジーニョ」。マルディーニが即挙げた、好きな選手はこの二人だった。その理由から、マルディーニの大人度の高さがわかった。マルディーにはこう言った。

「この二人は、いつも笑っている。その上、文句を言わない」

いつも笑顔で文句を言わないということもまた、かなり高い大人度を必要とする。
ただへらへらするのとは違う。一緒にいてもがさついたり粗い気持ちにさせることなく、周囲を安らぎで包む器量だ。その上、マルディーニの挙げたこの二人は、黙々と自己の鍛錬に励み、誰にも真似できない美しい技術で、人を喜ばせることができる。怒るときは怒り、反撃できるときはいつでも反撃してきた私の反骨ハッタリ人生とは、全然違う。私が周囲に与えてきたものといったら、棘や肩こり・頭痛の類くらいだ。なんと器量の小さい人生を経てきたのかとうなだれたくなる。まあ、しょうがないなあ、とすぐ開き直ってしまいもするし。

いつも笑って文句を言わないということは、俗人が囚われている煩悩や苦しみをするりと通り抜けてしまったということだ。自分の苦しみを自分で引き受ける裁量もある。自分に降ってかかった苦しみがあっても、どうやって乗り越えるかに神経を集中させることで、乗り越えられるまでの過程を享受しているようにも見える。

シェフチェンコがゴールに向かって走る時、ロナウディーニョがフリーキックの前にボールを無心に見つめる瞬間、かれらは自分の目の前の最大の壁に直面している。ゴールが決まったときの満面の笑みは、壁を乗り越えた喜びで、失敗したときのはにかみは、修行の過程を味わっている表情。きっとそうだ。

こう考えると、文句を言ってばかりいる人は、自分の苦しみを人に押し付け人のせいにしているのだと思えてくる。自分に対して腹を立てていることに、気がついていないのかもしれない。ひいては、努力すればいいことも放棄しているのではないかとさえ見えてくる。

ところで、ここで重要なのは、マルディーニがさらりと、‘笑顔で文句を言わない人間を尊敬している’という発言をしたということだ。
見る人は見ているということだ。大人はきちんと見て、評価を下しているのだ。

なにも目だった振る舞いをせずとも、「見る人がきちんと見ている」。
つまり、人の本質は、他人によって簡単に見抜かれてしまうのだ。
勝負をかけようという人間にとって、これほど恐ろしいものはない。
たとえ勝つ技術があっても、さらに人間性が勝ち負けの本筋を決めるのだから。

笑って文句を言わないという達人の技術はわたしにはなかなか真似できないけれど、せめて、誰に見られても狼狽しないように、自分に嘘だけはつかないで行こうと思う。とはいえ、自分に嘘をつかない生き方はかなり難しい。自分に言い訳をせず、心の中で違和感のある部分を見つめるだけでも、かなり正直に近くなるのではと思っている。
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by hamster_paso | 2005-01-27 02:15 | サッカー Futbol

ロナウジーニョ、マルカ表紙を飾る

11月2日のバルサーミラン戦で、89分目にすばらしいゴールを決めたロナウジーニョ。
雄たけびを上げ胸を叩いてカンポ・ナウを走り回ったロナウジーニョの姿は、ファンならずともまぶたに焼き付いて離れないはずだ。
Rマドリー選手以外はほとんど表紙にも取り上げないマルカでさえ、この扱いだった。

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白と黄色の文字が伝える題は「長い歯」。
ほめゴロ死かよ、マルカ。

元になっている写真は、これだ。 

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by hamster_paso | 2004-11-12 03:12 | サッカー Futbol