【写真】 犬の生活

チャップリンの初期の名作に‘犬の生活’というのがあったが、ここトレドにも、犬と路上で生活している笛吹きおじさんがいる。
のんべで、笛を吹いていないときはたいてい飲み屋にいる笛吹きおじさんなのだった。

彼の犬‘チコ’は、いつもおじさんを店の外でじっと待つ。おじさんが店を梯子しても、かならず後をつけて行く。付いて行くのではなく、守りに行くのだ。おじさんには‘飲みすぎるなよ’と目で話しかけ、見知らぬ人には‘ご主人様に手を出すなよ’と見張るのだ。
どこかの店の前でチコを見たら、笛吹きおじさんは必ず中にいるという具合なのだった。
このことは有名で、土地の人なら誰でも知っている。

この日、チコは、はじめてみる黒い大きな犬と一緒に店の前にいた。
案の定、笛吹きおじさんは店の中にいる。
道行く人は、チコには声をかけるのだけれど、黒い犬には声をかけない。
ガラスに張り付いたメニューとメニューの間に、笛吹きおじさんの顔がちょこっと見えた。メニューの後ろ側に座っている人と談笑している。顔の見えないその人が、黒い犬の飼い主かもしれない。
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待つのが慣れっこのチコは、クロと一緒に、通り行く人を眺めたり、
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クロにシッポを振っておどけてみたり、
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‘クロ、どっか遊びに行こうよ’、と話しかけたりするのだけれど、
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クロはちっとも答えずに、ご主人様をじっと外から見つめるのだった。
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クロはクロで、ご主人様が誰かにいじめられないようにまもっていたのかもしれない。
チコはチコで、慣れない陣地で寂しいクロを慰めようと、おどけたのかもしれない。
やさしいよね、クロとチコ。
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by hamster_paso | 2005-01-14 09:12 | foto スペイン Spain